Seize the day.

日々、気になったことを書いていきます。

西洋音楽を日本で学ぶためには、私たちに何ができる?

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

本来であれば、紅白や年末のバラエティ番組にツッコんでいきたいところですが、ちょっと気になったことをTwitterで見たので、その件について。

※追記:横山幸雄さん書かれた原文を貼ります。ご興味ある方はご覧ください。

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はじめに断りを入れますが、私は上野学園の関係者でもなければ、誰かに頼まれて書いているわけではありません。ピアノ科の講師に音高のときの同期がいること(今は交流なし)。その他は以前にソルフェージュ指導していた生徒が1名だけ進学した。これだけの関係。それ以上でもそれ以下でも、ない。でも、思うものがあるので書くことにしました。

一応、この件はニュースにもなっているようなので貼っておきます。

news.livedoor.com

 

結局、私立学校-中でも日本の音楽大学-は近年、不況に悩まされていることは前から知っていました。一部の音楽大学を除いて、入学定員を割ることなんていうのは暗黙の了解の中で当たり前になってしまいました。しかしそうした大学でも、国内外でご活躍されている優秀な先生方を指導者として招き入れ、音楽家育成のための教育機関として、生き残りを図っていました。近年、こうした状況であることは、音楽をしているものであれば察しはつきます。

私は先にも申し上げたとおり、内部のものではないので詳細を知っているわけではありません。しかし、この文章を見る限りでは、今回、こうして上野学園の先生方が、しっかりと声をあげ、クリーンな学校経営を求め、学校の存続を訴えたということは、とても価値のあることだと思いました。こうした状況下の中、現場で指導をくださる先生方が泣き寝入りしてしまったら、これから新たに勉強してきた音楽家たちの仕事をする場所を失いかねませんし、何よりも音楽を学びたい生徒・学生たちの教育の場を確保することができなくなります。なので今回は、ピアニストでもあり上野学園大学教授でいらっしゃる横山幸雄先生が声をあげてくださったことはとても価値が高いと思いました。西洋音楽を学びたいという学生たちにとって、優秀な先生方にご指導をいただける環境を確保することは、とても大切なことであると、私は思うのです。

日本は音楽文化についての教育が薄いと思います。

私の実体験で言えば、音楽大学への進学の仕方が、ある特定の人たちでないとわかりづらいというのが現状です。それは両親が音楽をしていた、もしくは進学させたいと切に願うご両親の元に育った、もしくは特別に才能を見出され、先生に紹介された…などなど、ある限られた人たちにしか音楽大学進学…いや、受験さえもままならないということです。私はいずれにも当てはまらない子どもだったので、学習塾の先生に頼る(たまたま一般大と音大を出た先生がいたので)という、自発的な手段をとりました。結構稀なケースだと思います。

暗黙の了解の中で、ソルフェージュを習うこと。専門的な実技指導を受けること。そうした先生方に師事するためのノウハウなど。今ではインターネットの時代なので情報も普及していますが、昔はもっと情報が入らず、受験するにも涙を飲んだ方もいたと推測されます。

こうした情報化社会の中で、西洋音楽の実技指導を受けられる学校が受験しやすくなった、ということも手伝い、勉強できる状況を整えることも、昔よりはしやすくなっていると思います。しかし、少子化も手伝い、高い学費を払わせて、どの職業に就くのか不安な音楽大学への進学者が減ってきているのもわかっています(高校に勤めているので、それは顕著に感じています)。

そんな音楽教育が不安定な、この時代に経営陣の怠慢により、教職員にこうした不安を持たせること、そしてこれから音楽を志す受験生、そして何よりもこの学校に通っている生徒・学生さんたちに不安をあたえるのは、さらに芸術普及の歯止めとなってしまうことでしょう。本当に音楽を愛し、日本でも西洋の音楽を学べる教育機関として存続していくのであれば、しっかりとした経営をおこなっていくことは必須ではないのでしょうか?

私も私立学校に勤める身として、考えさせられることがあったので、熱く書いてしまいました。

それでは今日はこの辺で。